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    バレエ/白鳥の湖

    クラシック バレエといえば「白鳥の湖 チヤイコフスキーの旋律が奏でる永遠の名作です。

    そこはとある国の王宮の中庭。この国の王子ジー クフリートが成人を迎えたのを祝い、友人たちが集まってにぎやかな踊りを繰り広げている。王子は老家庭教師ウォルフガングと一緒にその様子を眺め、ときには 自ら踊りに加わって楽しんでいる。そこへ王子の母である王妃が、お供の貴婦人たちと姿を見せる。王妃はひと張りの石弓を贈って王子を祝福するが、軽々しい浮かれ騒ぎをいさめて、翌日の舞踏会に招いた姫のなかから、妃にふさわしい人を選ぶよう言い渡すのだった。王妃が去ると再び陽気な宴が始まるが、王子はひとり、高貴な身分ゆえの不自由さに思いをめぐらせずにはいられない。その視線の先の夕空を、白鳥の群れが 飛んでゆく。人々が去ると、王子は石弓を手に取り、白鳥の消えた湖のほうへと向かう。

    第二幕岩場の多いさびしい湖畔で、王子は弓を構え、白鳥たちが水から上がってくるのを待つ。すると 羽の白鳥が、王子の目の前で見たこともないほど美しい娘に変わった。王子は我を忘れて娘に駆け寄る。娘は驚き、彼の手から逃れようとするが、王子が弓を置くのを見て、 ようやく身の上を語り始める。彼女の名はオデットといい、侍女たちと花摘みに出たところを、悪魔ロットバルトの呪いで白鳥に変えられてしまったのだった。人間の姿でいられるのは夜の間だけ。まだ誰にも恋したことのない若者が愛を誓ってくれれば呪いは解けるが、もしその誓いが破られれば、永遠に白鳥のままでいなければならない……。

    王子は喜んで愛を誓おうと約束する。だがそのときロットバルトか現れ二人を引き離す。 明け方の空に飛び去る白鳥たちを見ながら、王子は改めてオデットを救うことを心に決める。

    第三幕王宮で華やかな舞踏会が始まる。客人たちが自分の国の踊りを披露し、花嫁候補 の王女たちも美しく着飾ってワルツを踊る。王妃はそのなかから気に入った姫に花を渡すよう促すが、オデットのことしか頭にない王子は どの姫も目に入らない そのとき ファンファーレが新たな客人の入来を告げ、 フオン ロットバルト男爵と名乗る男が娘のオディールを伴って現れる。王子はオディールを目見て愕然とする。黒衣に身を包んだオディールは、オデッ卜に瓜二つだった。疑いと陶酔と、相半ばする気持ちでオディールと踊る王子だったが、踊るほどに彼女の妖しい美しさに魅了され、ついには彼女こそ オデットだと信じて愛を誓う。そのとたん、正体を現した悪魔とその娘は、窓の外で羽ばたくオデットの姿を指し示し、あざ笑いながら消えていく。王子は自分の犯した過ちを悔いながら、 オデットを追って湖を回指す。

    第四幕 オデットは湖に戻り、 の娘たちに王子の誓いが破られたことを告げる。嘆くオデットをなぐさめる娘たち。あとを追ってきた王子がオデットの前にひざまずき裏切ってしまったことを心から詫びる。二人が心を通わせる間もなく、ロットバルトが現れてオテット を連れ去ろうとする。王子は彼女を守ろうとするが、二人の力でかなう相手ではない。オデットはついに湖に身を躍らせ、王子もそのあとを追う。死をも怖れぬ二人の愛によってロットバルトは滅び、二人の魂は永遠の世界で結ばれる。

    バレエを殆ど見ない人でも白鳥の湖のタイトルと、純白のチュチュに身を包んだヒロインの姿は、どこかで目にしたことがあるに違いないと思います。それほどよく知られている理由は、この作品のなかにバレエの魅力のエッセンスが凝縮されているからだろう。美しい音楽と振付、この世ならぬ美女と高貴な若者のロマンス、何より白鳥という言葉が呼び起こす清らかで凛としたイメージが、バレエそのものの印象に重なるからかもしれない。

    『白鳥の湖』の音楽はチャイコフスキーの三大バレエのなかでもっとも早く作曲された。1877年にライジンガーの振付で初演されるが、この作品は成功せず、作曲家の死後1895年にプテイパとイワーノフが振付けたものが、現在の『白鳥の湖』の原型とされる。結末に二人が湖に身を投げる「悲劇型」 と、惡魔を打ち倒して現世で結ばれる「ハッピーエンド型」の二通りの流れがあることは有名だが、これはもともと二人が来世で結ばれる結末であったものを、社会主義政権時代により「健全」なハッピーエンドの結末が考案されたのが原因という。正反対の結末が、ぼぼ同等の観客の支持を得て定着しているのは興味深いことだ。

    正反対といえば、『白鳥の湖』第一幕は、パ・ド・トロワや乾杯の踊りなど、王子の友人たちが 繰り広げる明るい雰囲気の踊りが、おもな見どころ。第二幕で踊られるグラン・アダージオは、オデッ卜が出会ったばかりの王子に対して心を開いていく過程を表現する重要な見せ場。静かな音楽のなかで王子の腕に身を預け、しなやか にポーズをとるオデットが見ものだ。四羽の小さな白鳥、大きな白鳥の踊りを含む白鳥たちの群舞もイワーノフが振付けたフォーメーシヨンの美が、見る人を幻想の世界に誘う。第三幕は一転、王宮での豪華な舞踏会。スペイン、ハンガリー、ナポリ、ポーランドなど 異国情緖あふれるキャラクター ダンスが華やかさを盛り上げ、そのクライマックスでオディールと王子の「黒鳥のパ・ド・ドゥ』が踊られる。オデットに似た動きを入れつつ、王子を妖しく誘い惑わせるオディールの演技に注目したい。王子に対する勝利を確信したオディールがコ—ダで見せる三十二回のグラン・フェッ・テ・アン・トゥ—ルナンはあまりにも有名。古曲的な演出のなかでもブルメイステル版はすべてのキャラクタダンスを悪魔の配下が踊る設定にしているため、た いへんスリリングな見応えがある。

    全編が善と悪、光と影の対比に満ちているのも特徴だろう。孤高のオデットと邪悪なロットバルト、第一薄と第三藉の王宮の明るさと第二幕と第四幕の湖畔の青い闇のように。それを一身に体現するのが、オデットとオディルといぅこれまた正反対の人物を二役で演じる主役バレリーナだ。これが偶然の産物か、最初から計算されていたことなのかは諳説あるが、ひとりのバレリーナが清楚なヒロィンと妖飽な悪女を踊ることは、何か人間の奥深い真実に触れるような、いわく言いがたい魅力を観る者に感じさせるのは事実である。演じるバレリーナが優れていれぼいるほど、どのように演じ分けてくれるのかという観客の期待も限りなくふくらむ。本来は別人なのだからとあえて二人のバレリーナに踊らせる演出もあるが、興密の度合いは大きく異なる。この「一人二役」 という要素もまた、『白鳥の湖』を特別なバレエにしている重要なポイントといえるだろう。バレエで圧倒的な人気と知名度を誇る作品が『白鳥の湖』である

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