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    バレエ/くるみ割り人形

    少女がくるみ割り人形と旅する夢の世界……

    クリスマスに世界中で上演される定番バレエ

    第一幕雪の舞う夜、主人公クララのいるシュタールバウム家では、クリスマス・イヴのパーティが開かれている。クリスマスツリーを囲んで楽しい踊りが繰り広げられ、子どもたちはプレゼン卜に大よろこび。そこへクララの名付け親ドロッセルマィヤーが現れ、糧じかけの人形を踊らせて、お祝い気分をいっそう 盛り上げる。彼が最後に取り出したのは、大きなアゴを持つ醜いくるみ割り人形。子どもたちはがっかりするが、なぜかクララだけはその人形が気に入り、ドロッセルマィヤーに頼んでプレゼントしてもらう。その夜更け、お客たちが帰り、静まり返ったツリーの間に、クララがそっと降りてくる。置き忘れたくるみ割り人形を見つけてうれしそうに抱きしめるクララ。ところが時計が12時を打ったとたん、あたりの様子は一変する。クリスマスツリーが見上げるよぅに大きくなり、ねずみの大群がおもちゃの兵隊と頭に立っているのは、くるみ割り人形だ。クララは自分のスリッパを恐ろしいねずみの王様に投げつけ、くるみ割り人形のピンチを救ぅ。美しい王子に変身したくるみ割り人形は、クララに感謝し、 自分の国であるお菓子の国へ案内してゆく。

    第二幕お菓子の国に着いたクララは、金平糖の精をはじめとするお菓子の精たちに歓迎される。チョコレートやコーヒーお茶の精たちの楽しい踊り、花の精たちの華やかなワルツ、最後には金平糖の精と王子が、華麗な踊りを披露する。夢のような時間が終わり、クララは自分の部屋のベッドで目を覚ます。すべては夢だったのか。クララはかたわらのくるみ割り人形をしつかりと抱きしめる。

    『くるみ割り人形』にはさまざまな演出があり、登場人物の名前や物語の設定もそれによって異なる。以上にご紹介したのは、一般的なタイプのひとつだ。原作は、ドイツ ロマン派の小説家ホフマンの『くるみ割り人形とねずみの王様』を、アレクサンドル デュマがフランス語で翻案した『はしばみ割り物語』。チヤイコフスキーの音楽、イワ ノフの振付により、 1892年のマリインスキー劇場で初演されたが、目の肥えた観客すべてを納得させるには至らず、その後たびたび改訂が繰り返されることになる。初演版は主人公を少女が演じ、金平糖の精を主演バレリーナが踊ったため、物語と舞踊の主役が一致しないといぅ問題を抱えていたが、1934年、ワイノネンが主役を大人のダンサーが踊る新ヴァージョンを発表。現在までつづく演出の流れのひとつの起点を作った。

    今日見られる『くるみ割り人形』 は、ほとんどがこの二つの振付のどちらかをベースにしているといえるだろう。総じてプティパ・イ・ワノフ版の系統には夢の世界らしい華麗な衣裳や美術を強調する傾向があり、ワイノネン版の系統にはスピード感やダイナミックな動きなど舞踊的な感動を強調する傾向があるが、 どちらにも捨てがたい魅力がある。前者の代表的なヴァージョンには英国ロイヤル バレエが上演するピーターライト版やバレエカンパニーの熊川哲也版、 後者の代表にはグリゴローヴィチ版、バリシニコフ版、ヌレエフ版などがある。これらの他に、二十世紀後半から現代までの振付家たちが作り出した独創的な『くるみ割り人形』にも注目したい。

    ノイマイヤー版の主人公マリーは、思春期を迎えるバレエ学校の生徒。夢のなかで振付家のドロッセルマイヤ が、彼女にバレエの奥深い魅力を垣間見せるという趣向だ。プティ版のクララは、王子と 緒に気球に乗って旅をする。ベジャールは少年時代の思い出を全編にちりばめ、幼くして死に別れた母へのオマージュとして『くるみ割り人形』を創作した。マーク モリスの ハット・ナット、ビントリ—の『くるみ割り人形キャンディ』も、ポップな衣をまとったアレンジヴァージョン。マシューポーンの振付演出は  孤児院を舞台にはじけたダンスをこれでもかと繰り広げ、古典しか知らない観客を驚かせる。

    またグレアム マーフィーがオーストラリア バレエに振付けた『くるみ割り人形ー・クララの物語』の主人公は、元バレエ リュスのバレリーナ。彼女の人生と二十世紀 前半のバレエ史が美しいガ日と踊りで綴られる、興味深い作品となっている。

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