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    バレエ/カルメン

    渦巻く愛憎と官能…… 奔放に生きるファム ファタルの愛と死

    スペイン、セビーリャあらすじ の煙草工場で物語は 始まる。ここに駐屯していたバスク人伍長ドン・ホセは、工場で事件を起こしたジプシーの女、カルメンと知り合う。彼らはたちまち恋に落ちる。ホセは彼女のために上官と揉め彼を殺してしまう。軍を脱走し、婚約者も地位もいっさいを捨てたホセは、カルメンの属する密輸団の仲間に入る。だが、奔放なカルメンはほどなく闘牛士に心を移し、ホセの思いどおりにはならない。彼はカルメンをとり戻 そうと必死に懇願するが、彼女は聞き入れない。ついにホセはカルメンを刺し殺してしまう。

    フランスの作家プロスペール・メリメが1845年に発表した小説をもとに、 ジョルジュ・ビゼが作曲したオペラが1875年、パリで初演された。バレエのほうは、1949年、ピゼーの曲を使ってローラン・プティが創作した一幕五場の作品がもっとも有名である。この版では、歴代の魅力的なカルメン役が記億されている。初演者ジジ・ジャンメールをはじめ、ドミニク・カルフーニ、アレッサンドラ・フェリ、ルシア・ラカッラなどである。とくにスペイン的な特徴は前面に出ておらず、代わって、ショ—トカッ卜の現代的なヒロインが息を飲む脚線美を披露する。ドン・ホセとの寝室でのパ・ド・ドゥは、ガラ・コンサートなどでも踊られる機会が多い。 またいっぽう、物語が終始、 闘牛場で繰り広げられるアルベ・ルトアロンソ版も、マイヤーブリセッカヤ、アリシア アロンソの、それぞれに力強い名演でよく知られている。ほか、マッツ・エック版は2001年にリヨン・オペラ座バレエ来日公演で上演され、鮮烈なイメージを残した。変わったところでは、故アントニオ・ガデスが自身の舞踊団に振付け、みずからドン・ホセを演じたフラメンコ版『カルメン』 挙げておく。

     

    カルメンとドン ホセの出会い の場面。プテイ版では、ヒロイン の誘惑的なソロによって、彼女のあらがいがたい魅惑が表現される。ここでの主役は、何といってもバレリ—ナの脚線美だ。また、つづいて第三場で展開される寝室の デュエット。そもそもドラマ全体の焦点が、カルメンとドン・ホセの恋愛に絞られている演出であるだけに、濃密な愛のパ・ド・ドゥは物語の核になる部分である。都会的で洗練されたヒロインが、いかにしてホセを虜にしていくか。そのプロセスが余すところなく表出されている。 同じ脚線美でも、アロンソ版ではまた、表現意図が異なっている。幕が開くと同時に、舞台の中心にカルメンのシルエットが浮かび上がる。その挑戦的なポーズに込められた人間像こそ、この演出の生命。ヒロインの自由な生き方を貫く誇りが脚のラインに漲っており、 冒頭の歯切れよいソロがその象徴である。